2022年7月2日土曜日

脱・初心者っぽい音。 音の切り方の意識が演奏に1つ上の風合いをもたらす。


音がプツプツと切れる、なんだか流麗でない、上手い人の演奏と比べるとなんか雰囲気が違う、など、自分の演奏に対して色々な要望が湧いてくるものではないでしょうか。

あえていうとこうした「初心者っぽい音」と「上級者っぽい音」はどこが違うのでしょうか。

もちろん要因は多岐に渡りますが、その中でも大きなウェイトを占めるのが「音の切り方」です。
本稿ではこの点に注目して話を進めていきたいと思います。

まず弦楽器の左手の移動には必ず時間が必要です。
それまで押弦に使っていた指を一旦離して指を次の目標フレットに向けて動かしていくのです。

指を離すタイミングが早ければ移動時間は長く、遅ければ移動時間は短くなります。
このタイミングをどこにするのか、で演奏の流麗さが決まります。
これが今回テーマである「音の切り方」です。

音の切り方への意識が高まれば、リズム、音質、次のフレットへの指の移動のしやすさなどが改善されます。


リズムのグリッドで音を切る

 
結論から言うと音は必ずリズムに合った場所で切りましょう。
4分音符を2分割ないし4分割した場所のいずれか、シャッフルグルーヴならば3分割したうちのいずれかです。

リズミカルな曲ならば幾分意識しやすいでしょう。
一方でバラードではなるべく滑らかに弾こうとして音の切るタイミング=指を離すタイミングを逸してしまっているケースが多いように思います。
バラードでも基本は同じです。
指の移動には時間が必要。時間の確保のために指はあらかじめ離す。離すタイミングはリズムのグリッドに沿うこと。
この3点は必ずセットで意識しましょう。

指を離すタイミングを逃すと音が不自然に切れた印象になります。
逆にリズムのグリッドにあっていれば結構早めに指を離しても、言い換えると音がかなり短くても、意外なほど流麗に聴こえます。


左手自身の動きもリズムに乗ること 

 
もう1つ大きな効果があります。
左手が動きやすくなるのです。
単に時間の確保ができたから余裕が生まれるだけでなく、左手自身がリズムを持って動くようになるのです。

リズムのグリッドに沿って左手に離す、移動すると言うことは左手に移動自体もリズムに乗っていることになります。
スポーツ経験のある方は思い出してみてください。
僕はバスケ部だったのですが、レイアップの時の2歩ステップしてジャンプ、ボールを受けて軸足を決めてパスなど、体を動かすときはリズムよく動かすことが必須です。
それは指も例外ではありません。

左手がリズムと深く関わって動くことにより脳からの指令も伝わりやすくなると言えるでしょう。

レガートで弾きたい時の弾き方、グリッドの分割の割合でグルーヴが変化するなどアドバンスな要素はたくさんあります。
1つの答えに留まらないのが音楽の難しいところであり面白いところです。
そのあたりのお話はまた別稿にて書きたいと思います。

まずはグリッドに沿って音を切ること。指の移動時間を確保すること。
左手自身の動きもリズムを持つこと。

これらのことが実践できれば、垢抜けた音になり、また弾き姿もゆったりとしてかっこいいものになります。
ぜひ普段の練習から意識してみてください!




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