今回はフィンガーピッキングのフォームについて具体的なやり方を解説していきます。
手首に曲げないニュートラルなフォームについてです。
先の投稿でも取り上げましたがこのフォームは手首や指にとって一番負担が少なく、かつ太い音が出せるのでお薦めです。
ポイントは指の可動域の確保と指が弦に道を譲るという点です。
フォームが整えばそれだけで弾けなかったフレーズが弾けるようになる場合もあります。
ぜひ読みながら実践してみてください!
スタンバイ編
まずはサムズアップの形を作りそこから力を抜きます。
指が自然に開き親指も少しダラっとします。
サムズアップの面影を残した脱力した状態。
このままの状態で弦に添えます。
こちらがスタンバイした状態の様子です。
チェックポイントは以下の3点です。
・親指が弦と平行に近いこと。
・親指と人差し指が向かい合っていないこと。
・手首が曲がっていないこと。
フォームにおいて目指すところはいい音を出すこと、体に負担がかからないことです。
これらの3点を実践することで手から弦に素直に力を伝えることができます。
無理な力みなく弾けるので関節などへの影響も少なくなります。
では対比して悪い例をみていきながら上の写真のようなフォームに近づけてみましょう。
-悪い例1- 親指が弦と平行でない
親指が弦と平行でないということは親指の関節が閉じていることを意味します。
関節が閉じているということは弦を弾くための下方向への可動域がもう残されていないということです。
結果、手首の動きで弦を押さえつけるような形になりうまくリリースできません。
-悪い例2- 親指と人差し指が向かい合っている
親指と人差し指のお互いが向かい合っていると弾くときにぶつかってしまうため十分な可動域がとれません。
結果、十分に音量が出ない、あるいは無理に音を出そうとしてつまむような弾き方になります。
これはいい音が出ないばかりか、無理な力みを生んで指の動きを妨げてしまいます。
-悪い例3- 手首が曲がっている
左右前後、どちらの方向でも手首が曲がっていると負担がかかります。
特に多いのは前方に向かって折れてしまっている人でしょうか。
ものを拾う時などイメーじしてみてください。
手首が曲がっている状態で指先だけでものをつまむと力が入りませんし、手首にも嫌な感じが走ると思います。
このフォームでは関節や筋を痛める可能性もあります。
以上の点に注目して基本のスタンバイフォームを作りましょう。
かといって上記のフォームを維持するために筋張るほど力を入れてもいけません。 リラックスしたニュートラルな状態が理想です!
実際の弾き方編
では前述のスタンバイフォームから実際に弾いてみましょう。
・親指
親指は開いている関節をスッと閉じるように真下に向かって動かします。
動きとしては真下に向かってるんですが、弦があるので実際は前側に向かって滑っていくような感じになります。
親指の腹の丸みに沿って弦が滑っていくような感覚です。
この自然と前にいってしまう動きが大切です。
意識的に前に動かしてはいけません。あくまでも弦があるので自然と前に向かってしまうという感覚です。
・その他の指
基本はスタンバイモードから握る動きで弾くことです。
指は弦に対して斜めにあたります。指が弦に当たる箇所は構えた時の上側(親指側)があたります。
動き出しの際に少し弦が滑る感じがあると思いますが、それで大丈夫です。
よくよく注意してみると滑ると同時に少し弦がしなっているのがわかると思います。
この弦を弾かず滑っている間は弦が弓のそれのように振動するためのエネルギーを蓄えている時間です。
さらに指を握り込んでいくと自然と弦が指から離れ振動します。
こちらもやはり意識的に指を離すのではなく弦が勝手に離れていく感覚が大切です。
注意点
繰り返しになりますが、弦は勝手に指から離れていくので作為的に何かしないことです。
指先の第一関節をあまり曲げず、しならせるようなイメージで握っていくとうまくいきます。
普通の握りこぶしとは少し違って、第一関節が伸びた状態の握りです。
指先が手のひらのなるべく遠いところに接地、内側に空間が少しあるように握れるといいですね。
弾き終わったときに、このような状態になっていればうまくできている証拠です。
親指は弾き終わったときは人差し指の第二関節から根元の間に着地します。
・まとめ
親指もそのほかの指も根本の考えは同じです。
関節や腱の無理のない動き。弦に逆らわない動き。
指でもピックでも、単音でもストロークでも、弦には必ず道を譲ってあげなければいけません。
これらの意識とともに今回の弾き方を実践してもらえれば、良い音とより精密な指の動きを得られると思います。
ぜひ実践してみてください!
2022年10月23日(日)
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